








仮名垣魯文(かながきろぶん)による滑稽本『牛店雑談 安愚楽鍋(うしやぞうだん あぐらなべ)』の複刻版。
仮名垣魯文は江戸幕末から明治期にかけて戯作者・新聞記者として活躍した人物。本作のような滑稽文で一躍人気作家になったり、戯作者・劇作家・落語家らとともに三題噺の自作自演グループを作ったり、当時最新のメディアだった新聞を内容・表現を簡素化した「仮名読新聞」を創刊し次々と流行語を生み出したり、と目まぐるしく変化していく時勢の流れを乗りこなし続けた人物でもありました。
本書『牛店雑談 安愚楽鍋』は式亭三馬の『浮世風呂』の銭湯、『浮世床』の髪結床にかわって明治初期に人気となった牛鍋店を舞台に、そこへ出入りする客たちの浮世談義をえがいた内容。同じく三馬の『酩酊気質』風の滑稽な作風で写実的に描かれた開化期風俗小説は、魯文の得意とするものでした。
なお、『牛店雑談 安愚楽鍋』は非常に異版が多いのですが、本書は誠之堂版を複刻したものです。
■商品詳細
タイトル :牛店雑談 安愚楽鍋
初編・二編上・二編下・三編上・三編下(全五冊)
(誠之堂版)
著者 :仮名垣魯文
編集発行 :日本近代文学館
初版発行 :明治4年5月〜明治5年1月
復刻版発行 :昭和59年11月20日印刷
昭和59年12月1日発行
(初刷)
サイズ :約125×185mm
付属品 :輸送用保護箱
状態 :経年のスレ・ヤケ・シミあり
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