




吉岡書籍店版『新著百種』の第5号として明治22年に刊行された『風流仏』の複刻版。
『風流仏』刊行時、幸田露伴は数えで23歳。本作の好評により若き新進作家・幸田露伴の名は広く知られるようになりました。本作の前年明治21年に刊行されたデビュー作『露団々』原稿料を元手にした信州、木曽、京阪への旅での経験が『風流仏』の素材となっているようです。
内容は木曽の花漬売の娘に恋をした若い彫刻家の物語。恋に敗れた彫刻家が娘に似せて仏像を彫るうち、その像が魂を宿したかのように彫刻家に手を差し伸べる、というクライマックスシーンが幻想的な一作です。明治期の日本ではまだ目新しい恋愛至上主義と、のちの「五重塔」などを含んだ露伴初期の工匠小説にもみられる芸道の神秘が仏教思想の枠組みにおいて融合・表現されている異色作として高く評価されています。
■商品詳細
タイトル :風流仏(吉岡書店版)
著者 :幸田露伴
編集発行 :日本近代文学館
初版発行 :明治22年9月20日 印刷
明治22年9月23日 出版
復刻版発行 :昭和59年11月20日印刷
昭和59年12月1日発行
(初刷)
サイズ :約125×190mm
付属品 :輸送用保護箱
状態 :経年のスレ・ヤケ・シミあり
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