吉村冬彦の第一随筆集『冬彦集』の複刻版。初版は大正12年に岩波書店から刊行されています。
吉村冬彦は物理学者・寺田寅彦のペンネーム。寺田寅彦は地球物理学・実験物理学を研究し、東大教授としても活躍した人物として知られている一方、夏目漱石に師事し、「ホトトギス」に俳句・写生文を発表した人物です。漱石の「猫」や「三四郎」に寺田寅彦をモデルとした男が登場しています。
本書「自序」によれば、「大正九年の春以来、方々の雑誌や新聞に寄稿した小品感想録の類を」「殆ど残らず採録」したものだそう。五高時代に出会った漱石に師事し、俳句や小品を書いていた寺田寅彦は、東大に進み、卒業後は物理学者として歩み始めたことで、文筆活動から遠ざかっていました。しかし、大正八年に胃潰瘍で療養を余儀なくされ、その病床で随筆を書き始め、ここからペンネーム吉村冬彦の随筆家としての活動が始まっています。科学的な題材や視点、独特のユーモア、温かみのある人間性が特徴の冬彦随筆は、科学者による随筆、という目新しさだけに収まらない、近代日本文学史上でも注目すべき随筆家として地位を確立しました。
■商品詳細
タイトル :冬彦集(岩波書店版)
著者 :吉村冬彦(寺田寅彦)
編集発行 :日本近代文学館
初版発行 :大正12年1月20日印刷
大正12年1月25日第1刷発行
復刻版発行 :昭和44年4月
サイズ :約135×190mm
付属品 :函、輸送用保護函
状態 :経年のスレ・ヤケ・シミあり
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