ナップ(全日本無産者芸術団体協議会)版『中野重治詩集』の複刻版。昭和6年10月5日付の発行予定であったこのナップ版『中野重治詩集』は製本段階で押収・破棄されてしまいましたが、官憲が欧州に踏み込んだ際、唯一居合わせた詩人・伊藤信吉が1冊を座布団の下に隠し、この1冊が大事に保管され残されました。本書複刻版はその1冊だけ残ったナップ版『中野重治詩集』を複刻したもの。原本は製本前だったため、表紙、見返し、扉がなく、複刻版製作にあたり、中野重治本人と編集部とで考案した表紙をつけ複刻されています。
本書には53篇の詩が収録されています。本書「自序」によれば新しい順に収録されており、雑誌「裸像」に発表した最も古い時期の作を集めた第三部、雑誌「驢馬」の時期の作を集めた第二部、それ以降の作を集めた第一部、という三部構成になっています。「第二部から第一部へかけて私は労働者階級の方へ近づいて来た」と「自序」で述べられているように、第二部では人間の生活に対する関心を深めている様子が見受けられ、第一部の時期に至り「雨の降る品川駅」等の日本プロレタリア詩における傑作が生まれている様子がわかります。どの時期の作品においても日本語の深い味わいと新鮮なリズムを持つ美しさがあるのが中野重治の詩の特徴です。
■商品詳細
タイトル :中野重治詩集(ナップ出版部版)
編輯者 :中野重治
刊行 :日本近代文学館
編集 :名著復刻全集編集委員会
総発売元 :株式会社ほるぷ
初版発行 :昭和6年9月30日 印刷
昭和6年10月5日 発行
復刻版発行 :昭和44年9月
サイズ :約120×190mm
付属品 :函、カバー、輸送用保護箱
状態 :経年のスレ・ヤケ・シミあり
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