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徳田秋聲最後の長編小説。最晩年の1941年(昭和16年)6月28日から9月15日まで、『都新聞』に連載されていましたが、情報局の干渉により中断し第80回で連載を中絶。その後、秋聲は病没したため未完の作品です。
白山で置屋を営む元芸者の小林政子をモデルに、芸妓の世界を描いた内容で、秋声文学ひいては日本の自然主義文学の最高峰と評されています。川端康成が、「近代日本の最高の小説であることは疑ひない」と絶賛するなど、文壇でも非常に評価が高かったようです。
本書は徳田秋声没後約1年の昭和19年に新聞に掲載された80回分と新聞社から原稿のまま戻ってきていた81回、書きかけの82回の原稿を加えて1冊にまとめられたもの、と跋文にあります。しかし、昭和21年が初版。これは、秋聲の一周忌からまもなく東京は激しい空襲に見舞われ、昭和19年に印刷された「縮図」の本文および新聞連載時の内田巌による挿画、表紙などが全て焼失、その後、小山書店によって青森に送られていた見本をもとに終戦後改めて刊行へと至ったためです。これらの事情が読める巻末の徳田一穂による追記も本書のみどころのひとつ。時代の節目にあった秋聲最晩年の名作を、ぜひ時代背景を感じられる跋文たちとともに味わっていただきたい一冊です。
■商品詳細
タイトル :縮圖
著編者 :徳田秋聲
発行所 :小山書店
発行 :昭和21年7月1日 印刷
昭和21年7月10日 発行
昭和21年11月20日 第二刷
サイズ :約150×215mm
付属品 :函
状態 :経年のスレ・ヤケ・シミあり
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