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徳田秋聲は、尾崎紅葉の門下を経て、田山花袋、島崎藤村らとともに明治末期、日本の自然主義文学における代表的作家として活躍しました。『あらくれ』は、読売新聞紙上に連載した長篇小説であり、庶民の女の生き方を通して日本近代の暗さを追い求めた徳田の代表作の一つであり、日本自然主義文学を代表する一作でもあります。夏目漱石は『あらくれ』について、「何処をつかまへても嘘らしくない」「徳田氏の作物を読むと、いつも現実味はこれかと思はせられる」と前置きした上で、「現実其儘を書いて居るが、其裏にフィロソフィがない」と評しています。
こちらは、新潮社から出版された初版本の復刻版です。イチゴのイラストがほどこされた表紙、文庫本に近いサイズ感などかわいらしい印象のデザインですが、背表紙には鬼(?)がいたりして、本能の赴くままに生きようと男から男へと渡り歩き傷ついていく勝気な主人公・お島を垣間見ることができます。しかしながら、この装丁を誰がデザインしたのかはわかりませんでした。イチゴのかたすみに「S」と読める部分があり、また徳田秋声の別作品『仮装人物』の装丁は安井曽太郎のデザインであったことから、おそらく安井曽太郎ではないかと思うのですが……。ご存知の方がいらっしゃたら教えて欲しいです。
【2021年4月11日追記】
詳しい方から徳田秋聲記念館の館報(創刊号)に装丁者に関する論考が載っていると教えていただきました!安井曾太郎ではなく、在田稠(ありたしげし)という画家だろう、という内容です。主に漫画家として活躍した方だとか。詳しくは下記URLから該当号を参照ください。
https://www.kanazawa-museum.jp/shusei/mukouyama/index.html
■商品詳細
タイトル :あらくれ
著者 :徳田秋声
編集発行 :日本近代文学館
初版発行 :大正4年9月12日印刷
大正4年9月15日発行
復刻版発行 :昭和49年11月20日印刷
昭和49年12月1日発行
(第13刷)
サイズ :約120×165mm
付属品 :箱、輸送用保護箱
状態 :経年のスレ・ヤケ・シミあり
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