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瀧井孝作の長編小説「無限抱擁」の単行本の複刻版。初版は昭和2年に改造社から刊行されています。
瀧井は河東碧梧桐に師事、新傾向俳句を多く発表し、俳人としてスタートした作家。荻原井泉水の「層雲」や碧梧桐「海紅」などを舞台に活躍しました。のち、「改造」の記者となり、芥川龍之介、志賀直哉を知ったことで小説家を志すように。大正9年には「新潮」で小説「旅」「祖父」を発表、小説家としての活動が本格化します。大正10年には小説に専念するため「改造」の記者をやめ、同年に「竹内信一」を「新小説」に発表しています。この「竹内信一」が本作「無限抱擁」の第二章にあたる作品です。
「無限抱擁」は長編小説として書かれたものではなく、四つの短編小説をまとめたもの。上記、第二章「竹内信一」が大正10年8月「新小説」に、第三章「無限抱擁」が大正12年6月「改造」に、第四章「沼辺通信」が大正12年8月「新潮」に第一章「信一の恋」が大正13年9月「改造」に発表されています。瀧井自身が本作「無限抱擁」について「私自身の当時の生活をありのまま、正直に一分一厘も歪めずこしらえずに、写生したもので、執筆当時の事は、この作品自体が語っているわけです」と述べているように、自伝的私小説であり、俳句によって培われた瀧井独自の写生的表現が特徴です。
内容は、娼妓と恋に落ちた青年の物語。誠実な恋愛の末、二人は結婚に至るが、女は間もなく結核で亡くなり、残された女の母と沼辺に移り住む。ストイックで純粋な恋愛小説として高い評価を得た作品であり、瀧井の代表作の一つです。
■商品詳細
タイトル :無限抱擁(改造社版)
著者 :瀧井孝作
編集発行 :日本近代文学館
初版発行 :昭和2年9月18日印刷
昭和2年9月20日発行
復刻版発行 :昭和44年9月
サイズ :約130×190mm
付属品 :箱、輸送用保護箱
状態 :経年のスレ・ヤケ・シミあり
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