「道草」は漱石の長編小説。「道草」は大正4年6月から9月にかけて朝日新聞に連載され、同年10月に岩波書店から同タイトルで単行本が刊行されました。『心』についで岩波書店から出た漱石本の二冊目にあたります。こちらはその単行本の復刻版です。
「道草」は漱石作品の中では珍しい自伝的要素を持つ長編小説です。主人公は海外留学から帰って大学の教師になった男。縁が切れたはずにもかかわらず金をせびりにくる養父、あまりうまくいっているとは言えない夫婦関係、と漱石自身の周りを思わせる描写が多く登場します。この「道草」の連載に先行して「硝子戸の中」という自己の身辺から書かれた随想も発表しており、この随想のなかで自らの生い立ちを語ったことが本作執筆の機縁ではないかと考えられています。
装丁は津田青楓によるもの。漱石本の装丁は本書『道草』と『明暗』および没後に刊行される縮刷版等を手掛けています。津田は画家であり詩、書、短歌も作った人物。漱石の晩年に門下生としてまた友人としての付き合いがあり、漱石に絵を教えたりしていました。津田が書いた『漱石と十弟子』という随筆集には、津田に教わりながら一生懸命絵を描く漱石の姿が。ぜひそちらも読んでみてください。
■商品詳細
タイトル :道草(岩波書店版)
(名著復刻 漱石文学館)
著者 :夏目漱石
初版発行 :大正4年10月7日印刷
大正4年10月10日発行
復刻版発行 :昭和54年7月20日印刷
昭和54年8月1日発行
(第3刷)
サイズ :約150×225mm
付属品 :函、輸送用保護函
状態 :経年のスレ・ヤケ・シミあり
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