漱石による漢文の紀行文。第一高等中学校に通う、当時23歳だった漱石が夏休みに同窓の友人4人と連れ立って房総半島に旅したことを書いています。
独立した十余節によって構成され、関連した総計14首の漢詩が添えられています。文と詩が互いに補完し合いながら一巻の文集を成している、詩話のような形式が特徴的。卓越した漢語への理解と豊かな語彙・人間描写等を備えた『木屑録』は「明治時代の漢文としてもっともすぐれたものの一つ」と評されています。
この紀行文が書かれるきっかけとなった出来事は、その頃すでに漱石と友人関係であった正岡子規の和漢詩文集『七艸集』および、この詩集に感心した漱石が綴った批評文『七艸集評』での漢文を用いた交流です。このやりとりが明治22年の5月。そして本書収録の『木屑録』はこの年の夏8月に書かれ、松山に帰省中の子規に送られました。こうして漱石と子規の文学的刺激をもった交遊が始まり、のちにそれぞれが明治を代表する俳人・小説家になったのは非常に感慨深いことと思います。
本書には『木屑録』本文ならびに『木屑録』を送られた子規が加えた朱批を、漱石の五高時代の教え子である漢学者の湯浅廉孫が和訳した訳文を収録した別冊が付されているので、漢文を読むことに抵抗がある方にもおすすめできる一冊です。
下記の別冊付
・「木屑録」解説 小宮豊隆
・「木屑録」訳文 湯浅廉孫
■商品詳細
タイトル :木屑録(岩波書店版)
(名著復刻 漱石文学館)
著者 :夏目金之助
初版発行 :昭和8年3月10日印刷
昭和8年3月15日第1刷発行
復刻版発行 :昭和54年7月20日印刷
昭和54年8月1日発行
(第3刷)
サイズ :約130×200mm
付属品 :帙、函
状態 :経年のスレ・ヤケ・シミあり
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