「日本橋」は泉鏡花の長編小説。本書刊行の千章館から書き下ろし出版でした。本書はこの千章館版の複刻です。
大正期の鏡花の花柳小説の代表作の一つ。東京日本橋を舞台に、二人の芸者、彼女らをとりまく二人の男、この四人の男女が激しく切なく交錯する物語です。春の1日の午後から夕暮れに至る2、3時間に、幾重にも回想風の叙述が組み込まれた複雑な構成も本作の特徴。舞台化された際は、この構成が解きほぐされ上演されたこともあり、人気を呼びました。戯曲「日本橋」は新派古典として現在に至るまで繰り返し上演されている名作です。
本書でご注目いただきたいのは、やはりこの美しい装丁。小村雪岱によるものです。本書のデザインをきっかけに、小村雪岱と鏡花は親交を深めます。また、雪岱にとっては青年画家として一躍認めらるようになった契機ともなりました。川沿いの蔵を背景に色とりどりの蝶が舞う表紙に、日本橋の四季を描いた見返し。非常に手の込んだ一冊です。洋風の造本に鮮やかな木版多色刷りの見事な本書、ぜひお手にとってご覧いただきたいです。
■商品詳細
タイトル :日本橋(千章館版)
著者 :泉鏡花
編集発行 :日本近代文学館
初版発行 :大正3年9月14日印刷
大正3年9月18日発行
復刻版発行 :昭和55年5月20日印刷
昭和55年6月1日発行
(第10刷)
サイズ :約155×225mm
付属品 :函、輸送用保護函
状態 :経年のスレ・ヤケ・シミあり
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