明治43年に春陽堂から刊行された『四篇』の復刻版。収録作品は下記4作品。
文鳥
夢十夜
永日小品
満韓ところどころ
4作品は全て朝日新聞で連載されたもの。「文鳥」が明治41年6月、続いて「夢十夜」が明治41年7月、「三四郎」の連載を挟んで「永日小品」が明治42年1月、その後「それから」の連載を終え、明治42年9〜10月に満韓に赴き、その旅行について書いた「満韓ところどころ」が明治42年10月の連載でした。その後「門」を連載しています。前期三部作「三四郎」「それから」「門」の隙間を埋めるように書かれた作品たちです。
本書タイトルの「四篇」は字面通り4作品収録された単行本であることをさしていますが、このタイトルは「詩篇」もしくは「死篇」とも読み取れるという説もあります。というのは、ここに収録された4作品は他の漱石作品に比べ、詩的なものが多く内包されており、そしてどことなく死の香りがするから、という見方ですが、いかがでしょうか。前期三部作という新聞連載小説(エンタメ)を作り上げるかたわら、漱石の別の部分がこれらの小品たちに反映されたと考えることもできるかもしれませんね。
なお、本書の装丁・挿画は橋口五葉によるもの。漱石本の装丁の多くはこの橋口五葉が手がけており、『我輩ハ猫デアル』の装丁も橋口によるもので、本書を含む『行人』までの6作を手掛けています。橋口は漱石以外にも、森田草平、鈴木三重吉、森鷗外、永井荷風、谷崎潤一郎、泉鏡花の作品の装幀を手がけており、装丁家としても名高い人物でした。
■商品詳細
タイトル :四篇(春陽堂版)
(名著復刻 漱石文学館)
著者 :夏目漱石
初版発行 :明治43年5月12日印刷
明治43年5月15日発行
復刻版発行 :昭和54年7月20日印刷
昭和54年8月1日発行
(第3刷)
サイズ :約150×220mm ハードカバー
付属品 :函、輸送用保護函
状態 :経年のスレ・ヤケ・シミあり
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